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構造力学概論 > STEP3 トラスの解法

トラス構造(1)

トラス構造は、現在でも多くの建築物に見られる構造形式です。 木造の洋小屋組もトラス構造で、大スパンの建築を造る場合などに良く用いられます。 このSTEPでは、まずトラスの基本仮定と応力の特性などについて述べた後、具体的なトラスの解法手段である 「節点法」および「切断法」について解説していきます。

Lesson13. 静定トラス構造の特性

トラスの種類

静定トラスには、キングポストトラス(図13-1〔a〕)、クイーンポストトラス(図13-1〔b〕)、平行弦トラス(図13-1〔c〕〔d〕)、及び片持ち梁系トラス(図13-1〔f〕)などがあります

図13-1

また、トラス構造の各部の名称を下に示しておきます

トラスの基本仮定

トラスを解く場合、いくつかの仮定を元にして、解いていきます.そうする事で複雑な影響が除かれ、 トラス部材には軸方向力だけが生じることになります。

トラスの基本仮定

  1. 節点は全てピンで接合されている。
  2. 部材は直線状である。
  3. 骨組の基本構成は三角形とする。
  4. 部材の伸縮はきわめて小さく,応力算定には影響がない。
  5. 外力(荷重および反力)は節点に作用する。

応力の表し方

トラスには、先に述べたように軸方向力しか生じません。よって応力を表す場合、せん断力図、曲げモーメント図は必要ありません。 節点に生じる引張力、および圧縮力はそれぞれ下のように表します。

①引張力の表し方 ②圧縮力の表し方