実験概要

  今実験ではJMA神戸地震波を用いて図書施設で多く使用されている書架の挙動や書籍の落下状態を観察するものである。床仕上げは摩擦の高低により書架の挙動がどのように変化するかを比較するためにタイルカーペットとフローリングの2種類を用いた。

  試験体として書架の形状・構成の違いを観察するために、床に対して垂直な書架(以下、標準書架と称する)のスチール製・木製の2種類と、両側に8度ずつ傾斜している書架(以下、傾斜書架と称する)の4段・5段の2種類、計4種類を満載状態となるように配架したものを用いた。

   標準書架は通常床固定されて用いられることが多いため、実験時においても床固定を行った。一方、傾斜書架に関しては、自由な配架というコンセプトのもとに設計されているため、床固定は行わなかった。また、標準書架の棚板は支持具に乗っているだけであるのに対し、傾斜書架は完全に棚板と書架本体が一体になっている。

以上の条件をふまえ、2000oの正方形平面の中央に試験体を設置し、加震実験を行った。

試験体概要表

試験体
寸法(W・H・D)
[o]
書架重量
[s]
書籍を含めた重量
[s]
床固定の有無
書架一体性
標準スチール製書架
(4段可動棚)
W:1830 H:1310
D:444
83.2
373.2
有り
無し
標準木製書架
(4段可動棚)
W:1800 H:1463
D:450
149.7
450.7
有り
無し
木製両面全傾斜書架101B
(4段固定棚)
W:1800 H:1215
D: ※
135.8
429.3
無し
有り
木製両面全傾斜書架101D
(5段固定棚)
W:1800 H:1405
D: ※
161.8
508.3
無し
有り

※ 木製両面全傾斜書架は上辺、下辺で寸法が異なる。<両側に8度の傾斜>

       傾斜書架(4段)・・・上辺:307.8o  下辺:637.9o

       傾斜書架(5段)・・・上辺:307.8o  下辺:693.3o


配置概略図
実験時の配置概略図



戻る