自ら考え、実践する大学院の2年間
名城大学大学院では、5系17名の教員から、様々な専門分野を学べる点に特徴があります。学部と異なり少人数制のため、教員の知識を深く学び、自らの力に変えていくことができます。
大学院進学の意義
大学院にいくメリットはなんなのでしょうか?
大学院では、自らテーマを定め主体的に研究に取り組んだり、発表や対話形式の授業が増え、学部時代よりもより実践的な学びをするようになります。論理的思考力や行動力を養うことで自らの力を蓄え、可能性を広げるための時間と言えます。また、仲間を引っ張っていく立場として後輩たちと接するのも良い経験となります。
大学院を修了した学生の多くが社会で主体的に活躍する理由は、このようなところにあります。また、現実的に、大学院を卒業すると就職の選択肢が格段に増えるというメリットもあります。学部卒だとどうしても選べる選択肢が限られますが、大学院を修了すると多くの企業へ挑戦することができます。
充実した学外との研究・実践プロジェクト
名城大学の研究室では、多くの自治体や企業との研究や活動が行われています。机上の空論ではない実社会と結びついた研究活動を通して、自らの学びを通して社会に貢献できる、貴重な経験を得ることができます。
Case1|市役所や企業と一緒に行うまちづくり
計画系の佐藤研究室では、愛知県刈谷市との共同研究に取り組んでいます。市民がより楽しく街で過ごすことができるように、豊かな街を目指した毎月の市民会議を主催しています。社会で活躍される方とともに街の未来を考えるワークショップでは、大学院生がファシリテーターを務めます。更に、街路や公園を使った社会実験では、多くの店舗や経営者を束ね、一つの空間を作り上げる経験もできます。
Case2|民間企業と共同で行う木造住宅用耐力壁の開発
構造系の松田研究室では、木造住宅用の新しい耐力壁を民間企業と一緒に共同開発しています。大学院生はプロジェクトのリーダーとして学部生を率いつつ、企業の方とも連絡を密にして、構造実験・解析により開発を進めています。得られた結果に対して、院生ならではの高度な理論を展開することにより、開発している耐力壁の評価手法を提案しています。得られた成果は査読付き論文で発表しています。
論文を書くことで、人として成長する
大学院生にとって最大の挑戦は修士論文の執筆です。自ら目的や仮説を定め、それを立証するために膨大な調査や実験を重ねます。その過程こそが自らを鑑み、人として大きく成長する機会となります。そのような経験をした修了生は、自ずと、自分で企画を立てたり予算を獲得する能力も鍛えられることになります。
論文を進める過程では、学外の学会等での論文発表や査読付き論文へも投稿し、研究成果を社会に発表します。学外の様々な先生から自身の努力へのコメントをもらうこともでき、自分の名前が一生残る貴重にもなります。
修了生の声|原田さん(2021年大学院卒/建設会社勤務)
集落や民家が好きで、修士課程への進学を決めました。進学後は様々な場所で多くのことを経験させてもらい、楽しく充実した2年間だったと思います。
現在は、工務店で働く傍ら、加子母という地域でまちづくりに関わっています。そこでは、いろんな人と出会って、いろんな企画が生まれます。その企画作りに参加できているのは、修士課程で論文を書いた経験があったからだと思います。論文で身につけた、論理的に物事を読み取り、文章にする力を使って、企画を立てたり、補助金獲得に挑んだりしています。
修了生の声|増田さん(2021年大学院卒/名城大学大学院 博士課程在籍)
多くの人は誰かに何かを伝えるとき、文字や言葉を使います。また、仕事をするときは専門知識や問題解決力が必要になることがあります。
私は修士論文を完成させるまでに、専門知識の勉強だけでなく、問題を提起する力や解決する力を身に着けました。また、学外の学会発表で研究成果を言葉で伝える経験もしました。これらは高校や学部までの勉強とは異なった、修士課程でしか得られることのできないものだと思います。 現在は博士後期課程に進学し、学外の研究助成金を獲得したりしながら、高い目標を目指して研究を続けています。
国際ワークショップや学会発表で世界中の人とディスカッションをする。
名城大学では、海外の大学との国際ワークショップも経験できます。建築という共通テーマがあるからこそ、国や言語を超えて語り合うことができます。また、国際学会で研究成果を発表する学生もいます。最先端の知識は国を選びません。
タイ・チュラロンコーン大学との国際ワークショップ(大学院建築学専攻)
名城大学の協定校である、タイのチュラロンコン大学建築学部と合同で国際ワークショップを開催しています。ワークショップでは、両校の参加学生による少人数のグループで与えられた設計課題に対して共同して提案を行います。その他に講義や見学などもプログラムされています。異なる文化を背景に持つ学生達ですが、建築をコミュニケーションの手がかりとして交流を深めています。
フィンランド・タンペレ大学との国際ワークショップ(研究室単位)
フィンランドのタンペレ大学の学生が来日し、名城大の学生達と国際ワークショップを行いました。津島市の町家を改修してワークショッププレイスとして地域に開いていく実施プロジェクトの一環で、家具製作を行いました。町家の改修過程で出てきた古材を再生使用する検討を行い、フィンランドの家具に対する考え方を聞きながら双方でデザインを擦り合わせ、苦労を分かち合いながら無事完成。21日間のワークショップを通してかけがえのない体験ができた様子でした。
最先端の知識が学べる授業
大学院の授業では、学部よりもより各先生の専門について深く学べる授業が展開されます。発表・対話形式の授業も増え、学生にとっても多くの経験が得られる機会となります。その中でも特徴的な授業をいくつか紹介します。
建築総合特論
大学院生としての応用力向上のための統計学、企業人として必須の知識である知的財産権(特許権・意匠権・商標権など)の最新動向、そして最先端の建築生産技術とプロジェクト計画手法を習得する授業です。
建築設計特論
設計計画論は、外部の講師と常勤の講師がタッグを組み、最先端の設計手法を学ぶ授業です。外部講師には、全国規模での知名度を有する建築家や専門家を招聘し、講師の知識をマンツーマンで学んでいきます。学んだことを活かした学生が設計コンペに入賞するなど、実践力を鍛える授業です。
多様な進路の紹介
名城大学の修了生は、自身の実力を存分に発揮できる進路を選択する人が多いです。国内でも著名なアトリエや全国区の組織設計事務所、博士過程、研究職などです。代表的な進路を以下に示します。
- 乃村工藝社設計部
- 堀部安嗣建築設計事務所
- トミトアーキテクチャー
- 安田建築設計設計部
- 石本建築事務所
- シーラカンスアンドアソシエイツ
- MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO
- 海外の大学(フィンランドなど)
自身の能力を高める時間として、修士を。
修士の時間は、自らの価値を高める時間です。
研究に従事するほか、学生は各々、様々な時間の使い方をしています。以下に示すように、力の蓄え方は人それぞれです。自分の可能性を高める2年間、ぜひ、名城大学で挑戦してください。
[コンペで自分の腕試しをする]
- ヒューリックデザインコンペ 最優秀賞
- 愛知建築士会コンペ ファイナリスト
[インターンで有名事務所に行ってみる]
- 有名アトリエ
- 組織設計事務所
- 構造設計事務所
[資格をとる]
- 一級建築士試験 学科合格
[海外に留学する]
- 助成金をとって海外の大学に留学する
- 休学して1年間海外企業にインターンをする
[学術的な経験・知識を積む]
- 他研究機関での実地調査・研究への参加
- 奈良文化財研究所などでの発掘・調査の経験