トラス構造は、現在でも多くの建築物に見られる構造形式です.木造の洋小屋組もトラス構造で、大スパンの建築を造る場合などに良く用いられます.このSTEPでは、まずトラスの基本仮定と応力の特性などについて述べた後、具体的なトラスの解法手段である「節点法」および「切断法」について解説していきます
 Lesson13.静定トラス構造の特性

 (1) トラスの種類

静定トラスには、キングポストトラス(図13−1〔a〕),クイーンポストトラス(図13−1〔b〕)、平行弦トラス
(図13−1〔c〕、〔d〕),及び片持ち梁系トラス(図13−1〔f〕)などがあります

図13−1

(a)

(b)

(c)
   


(d)


(e)
     

 また、トラス構造の各部の名称を下に示しておきます.
 (2)トラスの基本仮定
 トラスを解く場合、いくつかの仮定を元にして、解いていきます.そうする事で複雑な影響が除かれ、トラス部材には軸方向力だけが生じることになります.
   

                    <トラスの基本仮定>

 1. 節点は全てピンで接合されている.

 2.部材は直線状である.

 3.骨組の基本構成は三角形とする.

 4.部材の伸縮はきわめて小さく,応力算定には影響がない.

 5.外力(荷重および反力)は節点に作用する.

 
                   
<応力の表し方>
 トラスには、先に述べたように軸方向力しか生じません.よって応力を表す場合、せん断力図、曲げモーメント図は必要ありません.節点に生じる引張力、および圧縮力はそれぞれ下のように表します。


@引張力の表し方
           


A圧縮力の表し方
            

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