建築学科の松田和浩准教授が平成29年度科学技術分野 文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました。(受賞日、開催地/2017年4月19日、文部科学省)
受賞テーマ:木質制振建物の動的挙動解明と合理的設計法整備に関する研究
新旧戸建住宅の耐震性を比較的容易に向上させる手段として、建物内にダンパーを設置する制振構造が注目されています。制振構造の挙動は複雑で、設計・開発には多くの注意を要しますが、市場では安易にダンパーを設置した効かない制振も多く売られています。
松田准教授は、木質架構にダンパーを入れた場合の力学的挙動や動的特性を、極めて多くの実験や詳細な数値解析により把握しました。また、等価線形化理論を用いた手法と時刻歴応答解析による手法のそれぞれで、地震応答の制御に必要なダンパー量を求められる合理的な設計法を提案しました。
この研究成果は、その多くが小規模住宅制振設計指針として公開される予定です。また、将来的な実現・普及が強く望まれている木質高層建物にも応用可能と考えられ、小~大規模の木質建物の耐震性向上に大きく寄与すると期待されます。