共振倍率
Mf は、減衰定数
h によってのみ左右されるので、
質量
m や、ばね定数
k をどのように変更しても変わりません。
最近の溶接鋼構造物は減衰が非常に小さく、共振倍率が 100 倍を超えることも珍しくない為、
注意が必要です。
そう考えると、
CHAPTER 1 の釣鐘の話もあながち冗談でもないということが分かります。
Bグラフの右側の方を見て下さい。
ω / ωn > 1 の範囲においては、
ω が増加すると拡大率が減少します。
ω / ωn → ∞ となるにつれ、拡大率は
0 に近づいていきます。
この中で最も興味深いのはやはり共振であると思います。
強固な建物でも共振の対策をしていないと、倒れてしまう可能性があります。
日常生活の中で共振に深く関係する現象としては、ブランコが挙げられます。
この場合、ブランコを揺らす人間自体が外力となっています。
ブランコに乗る姿をイメージしてみて下さい。
勢いをつけようとして振り出す足は、自然とブランコの揺れるタイミングに合わせて振り出されているはずです。
これによって、
ω / ωn が
1 に近づくため、共振が起きて大きな揺れになっていくという訳なのです。