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構造力学Ⅰ > STEP7 たわみ角法

たわみ角法(2)

STEP7-1ではたわみ角法の基本公式について説明しました。節点の数だけ出てくる節点方程式、層の数だけ出てくる層方程式、 というようにたわみ角法では、多くの方程式を連立させて解くことになります。そのためにまず、 このSTEP7-2では実際の流れ、方程式の立て方について説明していきたいと思います。

Lesson27. 手順

右図のような簡単なラーメンを例にして考えていきます

①与えられた条件より、公式中の未知数(θ、φ、ψ、M、R)のうち、0となるもの、または互いに等しくなるものを探す

たわみ角:θについて

A、Dともに固定端 → θAB=θDC=0
すなわち       → φAB=φDC=0
(φAB=2EKθAB、φDC=2EKθDC)となります。
節点は直角を保つので
θBA=θBC ⇒ φBA=φBC=φB(まとめてφBとする)
θCB=θCD ⇒ φCB=φCD=φC(まとめてφCとする)

部材角:Rについて

はりBCの両端は回転しない ⇒ 部材角は発生しない ⇒ RBC=0
⇒ ψBC=0 (ψBC=-6EKRBC)
B点とC点の水平方向への節点移動は等しい ⇒  RAB=RDC 
⇒ ψAB=ψDC=ψ(まとめる)

②固定端モーメント:Cを計算する

例題では材の中間に荷重がかかっていないので(節点にかかかっているので)、部材に固定端モーメントは発生しない。 よってすべての固定端モーメント=0

③たわみ角法の基本公式を使って方程式を立てる

与えられた条件を使って
MAB=K(2φAB+φBA+ψAB)+CAB=K(φB+ψ)   ...①
MBA=K(2φBA+φAB+ψBA)+CBA=K(2φB+ψ)  ...②
MBC=K(2φBC+φCB+ψBC)+CBC=K(2φB+φC) ...③
MCB=K(2φCB+φBC+ψCB)+CCB=K(2φC+φB) ...④
MCD=K(2φCD+φDC+ψCD)+CCD=K(2φC+ψ)  ...⑤
MDC=K(2φDC+φCD+ψDC)+CDC=K(φC+ψ)   ...⑥

④節点方程式を立てる

MBA+MBC=0  ...⑦
    MCB+MCD=0  ...⑧

⑤層方程式を立てる

P・h+MAB+MBA+MDC+MCD=0  ...⑨

以上の方程式を使ってこのラーメンを解いていくと・・・・
式⑦より、②+③ 4φB+φC+ψ=0  ...①’
式⑧より、④+⑤ φB+4φC+ψ=0  ...②’
①’、②’を連立させて解くと、
φB=-1/5ψ・・・a
φC=-1/5ψ・・・b
P・h 式⑨を整理して
P・h/K+3φB+3φC+4ψ=0
これに式a、bを代入して整理すると
ψ=-5Ph/14K・・・c
式a、b、cを①②③④⑤⑥に代入してモーメントを求めることができます。