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構造力学概論 > STEP3 トラスの解法

トラスの解法(2)

次に,もう1つのトラスの解法である「切断法」について学習しましょう。 切断法は,任意の部材の軸方向力を求める場合に有効な方法であるといえます。したがって、 トラス部材全ての応力が知りたい場合は「節点法」、トラス構造の任意の部材の応力のみ知りたい場合は 「切断法」と使い分けて解く方が簡易でしょう。 切断法には,切断面のつりあい条件式として、 ∑X=0,∑Y=0,∑M=0を用いて部材の軸方向力を求める方法である「カルマン法」と、 同一直線状にない任意の3節点のまわりのモーメントのつり合いから求める方法である「リッター法」があります。

Lesson15. 切断法

(1)カルマン法によるトラスの応力算定

右に示すようなトラスについてBD材、BE材、CE材の応力をカルマン法で求めてみましょう。
①まず反力を求めます。
このトラスはDE材を軸に形状・荷重とも左右対称ですので反力はそれぞれの支点が同じ値だけ負担するので…

となります。

②次に、応力を求めようとする部材のある箇所でトラスを仮に切断します。 この時切断する部材数が3材以下となるようにします。上の場合Ⅰ-Ⅰの部分で切断して断面力のつり合いを考えていきます。 この時、切断面の部材の応力を引張力となるように仮定します.(右図を参照のこと)

③切断部材の未知応力を力のつり合い式より求めます。モーメントのつり合い式を立てる場合、 基準にする節点は任意でよいのですが、一般には一番計算が易しくなる点に節点を定めるのが良いでしょう。 (上図の場合,B点のモーメントのつり合いを考えた場合P、N1、N2 のB点におけるモーメントの値が0になるため計算が容易になります)

となり求めるべき3材の部材応力がすぐに求まります。

(2)リッター法によるトラスの応力算定

次は右の図のようなトラスのBD材、BE材、CE材の軸力をリッター法により求めます。
①まず反力を求めます。
(この問題の場合反力を求めなくても3材の軸力は求められますが一応復習のために…)

②次に、応力を求めようとする部材のある箇所でトラスを仮に切断します。 この時、カルマン法と同様に切断する部材数が3材以下となるようにします。 上の場合Ⅰ-Ⅰの部分で切断して断面力のつり合いを考えていきます。この時、切断面の部材の応力を引張力となるように仮定します。 上のような場合、切断面の左側で考えた方が、外力の数が少ない分計算が容易になりますので、 切断面の左側で力のつり合いを考えていきます。(右図参照)

③切断部材の未知応力を先の3節点についてのモーメントのつり合い式より求めます。

ただし、カルマン法との違いは、軸力を求めるのに同一直線上にない任意の3節点のまわりのモーメントのつり合いを考える事です。 (つまり,水平方向,垂直方向の力の釣り合いは考えません。)任意の3節点を考える場合は、 当然その点に生じるモーメントの計算が容易になるものを選んだ方が良いので、 キャンセルされる力の数が多い節点を選んだほうが良いわけです。 ここでは、A節点、B節点のほかに2つの未知応力の作用線上で交わる節点Eを任意の3節点とします。

(3)カルマン法とリッター法を併用したトラスの解法 ~平行弦トラスの解法~

平行弦トラスは、曲げモーメントに抵抗するように上弦材と下弦材が平行に配置され、 せん断力に抵抗するように垂直材と斜材が配置された構造物です。 平行弦トラスの解法には、上述の2つの解法(カルマン法,リッター法)を併用して部材の軸力を求めます。

右の図のような平行弦トラスの上弦材CF、斜材CE、下弦材DEの軸力を求めます。
①まずは反力を求めます。

②次に、応力を求めようとする部材のある箇所でトラスを仮に切断します。 これまでと同様に切断する部材数が3材以下となるようにします。(右図参照)

③仮定した未知応力を力のつり合い式より求めます。このような場合、 先に述べたようにカルマン法とリッター法を併用して解くと、比較的簡単に解く事ができます。 すなわち同一直線上にない2つの任意の節点でのモーメントのつり合いと 切断部分での水平・垂直方向の力のつり合いを考えます

このように切断法を使うと、トラスの任意の部材の応力を直ちに求めることができます。 非常に便利な解法ですので、節点法とともに必ず理解するようにしましょう。